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はい、またきましたね~©淀川長治

恒例、何でもベストを行いたいと思います。

今年は、本があまり読めなかった半面、色々あって、映画を結構見た年になりました。厨房の頃、劇場に足しげく通ったものですが、それ以来、主に名画座になりますが、多くの気になる映画を見ました。

もちろん、これは「宇多丸のウィークエンドシャッフル」や町山智浩さんの影響も大きいのですが、ともあれ、おかげで本の当たりも、冊数も少ない年になったようです。

音楽の方は、11月発売のおいらにとってのビッグタイトル、Brian Wilson In the key of Disney、「Smile Sessions」がまだ未入手、ということもあって、こちらも低調な印象。

では、早速。
例年どおり、おいらが今年「見た」「読んだ」もので、発表年度にはこだわっていません。但し、映画に関しては考慮しています。

今年の本ベスト3
1.「緑の家」バルガス・リョサ
2.「有頂天家族」森見登美彦
3.「ジェノサイドの丘」フィリップ・ゴーレイヴィッチ

「緑の家」は再読に関わらず、やはり巨大すぎる作品。本って、本当に面白いし、ただ、すごい。そう思わせる作品です。「有頂天」はいつもの森見さんの本で、やはり面白い。「ジェノサイド」は、これだけのことが行われているのに、国連や国際社会は何も出来ないという、典型の事例がよく描かれていたように思います。

今年の映画ベスト3
1.「ソウル・キッチン」
2.「13人の刺客」
3.「ソーシャル・ネットワーク」

「ソウル・キッチン」は、おいらの好きな要素がすべてつまっています。多国籍や異文化クラッシュもの。異郷での孤独とか、更に音楽が大好きなSweet Soul Music!!
「13人の刺客」は一年遅れですが、やはり「みなごろし」シーンで鳥肌が。。。
「ソーシャル・ネットワーク」は封切時、および先日見直して、やはり面白いと実感。ザッカ―バーグの駄目さに共感。

今年の温泉ベスト3
1.白馬鑓温泉
2.小菅の湯
3.宮沢湖温泉 喜楽里

白馬鑓はご来光を湯船で見る感覚、最高!小菅の湯は、こじんまりとしていて、あまり混まないのも好印象。意外にも飯能の喜楽里がゆったりしていてよかった。

今年の山べスト3
1.北穂高
2.横岳(八ヶ岳)
3.白馬岳

結局、標高の高いところのみか。。。北穂高はこれまでで最も苦しかった登山。横岳も楽しかった。白馬は「鑓温泉」があってこそかもしれないけれど。。。
低山~中級では念願の蛭ヶ岳が印象的でした。

音楽に関しては、前述の理由で、べスト選出なし。しいて挙げれば「Barry White Best」を入手して、よく聴きました。Curtis好きとしては、あまり意識していなかったアーティスト。素晴らしかったです。

それでは、またお会いしましょうね~

# by atilla001 | 2011-12-25 23:14 | 雑記



久々に封切作を見てきました。

しかも、ビッグ・バジェット/ザ・ハリウッド的な作品を見たのは、考えれば「ミュンヘン」以来かも。

以下、ネタばれしている場合があります。鑑賞後、この文章をご覧ください。

では、まずざっくりした感想から。ピクサーのクリエイター、ブラッド・バード監督ということで期待したほどではなかった。しかし、この手の大味なアクションとしては作りこまれ、考え抜かれた作品、ということでまずまず、といったところでしょうか。

あらすじは。。。実はあまりこの作品の「面白さ」とは関係ないような気がします。ある機密をテロリストに盗まれ、それを奪回するための大仕掛けのアクションといったところ。もちろん、色々な伏線が張り巡らされていますので、例えばトム・クルーズの「ゴーグル」など、さすがの面白さでした。

おいらたちの「ミッション・インポッシブル」というのは、やはり「スパイ大作戦」ということになります。ラロ・シフリンの印象的なスコア。「万が一失敗しても当局は関知しないのでそのつもりで」というお約束のセリフ。これらの懐かしい道具立てを、現代的によみがえらせたのが、このシリーズということになります。

前作を、おいらは一本だけ見ています。ジョン・ウー監督のものでしたが、残念なことに、ほとんど覚えていません。

この映画の見どころは、実はストーリー的なものでもなければ、張り巡らされた伏線でもない。まあ、ド派手なアクションは、本作の大きな魅力で、例えばドバイでの「超高層アクション」のハラハラはさすがでした。すぐサンド・ストーム下でのカーチェイスが始まり、こちらも面白かったのですが、やはり「超高層」シーンが一番印象に残っています。

しかしながら、それら以上に、本作における見どころは、ブラッド・バード監督の「カリオストロ」へのオマージュ演出だと断言できます。

宮崎駿監督の傑作「ルパン三世 カリオストロの城」。いわずもがなの名作です。カリオストロ公国における秘密と、中世の城でのアクションは、アニメの面白さのすべてが詰まっています。未だに、宮崎さんの最高傑作だと、個人的には思っています。

断っておきますが、この「MI」のストーリーは全く違います。しかし以下のシーンが、いずれも「カリオストロ」を想像させるものでした。

1.「超高層ビルに、最新のマシンを使ってへばりつくイーサン」、2.「海中からの脱出シーン」、3.「クライマックスでの上下する立体駐車場でのアクション」、4.「病院から脱走したイーサンが、壁を伝って逃げるシーン」、5.「ラストのロシアの警官の和解セリフ」、これらがいずれも「カリオストロ」のどれかのシーンにそっくりだったのです。

全く事前の情報なく鑑賞したので、上記のことがインタビューなどで明らかな場合はすみません。また、完全においらの勘違い案件だという可能性もあります。

しかし、本作がジブリとも関係の深いピクサーのスタッフ、ブラッド・バード監督だということを考えれば、あながち的外れとも思えません。

実は、その共通点を見つけて、更に次から次へとハラハラが襲ってくる展開を楽しめた、というのは事実です。

それ以外の指摘を。前述の「ゴーグル」伏線、ガラスを破る伏線などはよかったところ。しかし、せっかくの脱獄させた「情報屋」の伏線が弱いとか、イーサンのキスシーンがイマイチ意味不明だとか。ロマンス要素は完全にカットした方が、ラストが生きたのではないでしょうか。

「スラムドッグ」で印象的だったアニル・カブールが今回もインパクトを残しています。

ともあれ、2時間ほどを、ノンストップで駆け巡るアクション映画。上記のことなど全く関係なく楽しめる作品ではあるでしょう。



# by atilla001 | 2011-12-18 22:38 | 未分類

某日。
「イラン~世界の火薬庫」宮田律を読む。
宮田先生の本は久しぶりに読んだ。アメリカの大学で学んだ、ある意味日本で活躍する中東専門家には珍しいタイプ。視点ははっきり欧米よりで、せっかくイランに取材していても、その成果よりはアメリカの中東政策におけるイランの危険の方が強調されている。この本の記述だと、アメリカ~イスラエルにとってイランがいかに危険で、安全を脅かしているかに重点が置かれているが、イスラエルの強硬姿勢も事態を混迷化させていることも強調してほしかった。
イランは口で恫喝するだけで、イラン-イラク戦争以来、戦争を行っていないが、アメリカはイラクに攻め、イスラエルはレバノンを爆撃した。どちらが「危険」なのだろうか。
もっとも、イランは武装組織を支援することで代理戦争しているんだけどね。

「イスラーム思想史」井筒俊彦をめくる。
ちょっと難物。おいらにとって興味深い「スーフィズム」についてのみ詳しく読んだ。面白かったのはスーフィズムは禁欲をすることによって「神との合一」を求めるのだが、その境地は飲酒や性的な悦楽に譬えられるんだとか。。。禁欲の末の快楽!

「LAコンフィデンシャル」エルロイ読了。
ツイッターで既に呟いているが、馳星周「ダークムーン」に話がそっくりなのに驚いた。もちろん、こちらがオリジナルなのだが、エリート警察官の「偉大な父親」の過去をめぐるエピソードなど、相当影響を受けていると思った。もちろん、この「暗黒のLA4部作」が、不夜城の連作に与えた影響とか、ちゃんと比較すると面白いかもと思った。連作、しかしわざと主人公を変えて群像劇にするとか。

既に年内の読書計画は立ってしまった。久しぶりに「春樹」を読むつもり。「本当に読みたい本だけ読む!」という宣言は来年こそ。。。

# by atilla001 | 2011-12-10 11:34 | 読書

旅行人の休刊号がとうとう発行された。

http://www.ryokojin.co.jp/


ひとつの時代の終わりを感じる。


おいらが「旅行人」(の前身の「遊星通信」)を知ったのは、まさしく長旅の途中だった。

蔵前さんの「ゴーゴーアジア」を読んだのは92年。その翌年に、おいらは最初の長旅をした。

ネットなどもない時代である。蔵前さんの最新動向を全くしらず、ちょうど「ゴーゴーアフリカ」が発行されたことを旅行者を通じて知った。

その蔵前さんが当時発行していたミニコミが「遊星通信」である。

記憶があやふやだが、おそらく旅先で「遊星通信」を手にしているはずだ。そして帰国後、東京に住むようになり、数少ない販売場所、「アジア文庫」でリニューアルされた「旅行人」を買って読むようになった。

旅行人がカラーになる直前の94年の「モンゴル特集」が手元にある。

良くも悪くも、バックパッカー文化、というものがある。ビンボー旅行にまつわるノウハウだったり、「日本人宿」の奇妙な風習だったりする。そのほかに思い当たるのが都市伝説じみた「ミドリさん伝説」であり、「だるま姫伝説」というものがあり、それは旅行者から旅行者へ伝えられ、おひれがつきまくって形成された「伝説」である。

「旅行人」はまさしく、そうしたバックパッカー的な何者かを代表する何かであった。もちろん、そうしたバックパッカー的な臭いは、季刊化されたときから失われつつあったが、この度、いよいよ休刊してしまうのである。

このところ、若者が長旅をしないという話をよく聞く。中高年ばかりとか。。。やはりそうした点も、旅行人が休刊を余儀なくされる原因であろう。そして、おいらがもっとも危惧するのが、こうしたバックパッカー的文化はどうなるのか?という点である。

そんなもの、なくなったって構わない。そういう意見もあるだろうし、先ごろ、話題になった、長期旅行中の夫婦が旅先で亡くなった事件への、多くの人の反応もそれを裏打ちしている。

だが。やはり何かが失われていくのを見るのは悲しい。特においらみたいに、それにどっぷり浸った人間には。時代は確実に変わる。もうジュライ・ホテルはないし、コンヤ・ペンションもない。

バックパッカーというのは、今、明らかに蔑称に響く。しかしそれが誇らしげに語られる時代もあったことを、ここに記しておきたいと思う。

もちろん、これからも、魅力的な「スーパーガイド」などのシリーズは刊行していくのだろうし、出版自体をやめるわけではない。蔵前さんの文章ももっと読みたい気持ちも強い。

しかし、とりあえず「旅行人」は休刊である。強い喪失感がある。

とりあえず、蔵前さん、小川さん。お疲れさまでした。

PS.この週末に最新刊買います!まだ読んでないんかい!!

# by atilla001 | 2011-12-07 00:13 | 旅の話

タマフルの「秋の推薦図書特集」に出演された伊藤聡さんの「生きる技術は名作に学べ」を手に取った。

伊藤さんは現在、会社員の傍ら、映画、読書に関するブログ「空中キャンプ」を運営されている。
http://d.hatena.ne.jp/zoot32/

当ブログなど比べ物にならない、人気ブログである(涙)

さて本書は10冊の、名作と呼ばれているが、実際に読んだことがある人が少なそうな(笑)、海外文学作品を取り上げている。例えば、「魔の山」「車輪の下」などであり、それらを「生きる技術」というキーワードで読み解こう、という趣向のようである。

おいらも実際、こうした「名作」を読むことが少なくない。「カラマーゾフ」をはじめ、ドストエフスキーの4大長編は読破したし、マンも「ブッデンブローグ」を、ずっと昔だがディケンズなども読んだことがある。

というわけで、人気ブロガーの伊藤さんが、どのように「名作」に取り組むのか、興味しんしん、といったところだった。

なによりも、こうした作品を実際に読み、取り上げること。そのことに意味がある。ネット時代、ブログは多く書かれているが、読書ブログでも読み応えのある書評サイトはなかなかない。実際に「使える」のはアマゾンの、偏りすぎたレビューであり、検索してみてたまたま行き当たったサイトだったりする。

その意味で、おいらと同世代の伊藤さんが、こうした本を読まれたこと自体に「よっ御同輩」感がある。本書のお題の中で実際においらが読んだのは「異邦人」「車輪の下」「アンネの日記」「月と6ペンス」であり、まあそんなに多くはないが、少なくはないであろう。

本書の特色であるが、伊藤さんがあとがきでも書かれているが、伊藤さんが映画ファンであり、作品を読み解くために映画からのアプローチが使われている。「父親について」というコラムでは、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」「レスラー」などが言及されている。文学や映画についてのウンチクで「名作」を語る。それは浴びるように、映画、音楽、文学の分け目なくコンテンツに接するおいらたち世代の共通項だし、伊藤さんが信頼に値するゆえんでもある。文学を読み続けることで、映画のリテラシーが上がるものであるし、その逆もまたありうるのである。

本書の欠点を述べたい。

第一に、例えば最初の「名作」、「異邦人」の評で感じたことだが、「好きな小説」を語る、熱量の低さである。「本当に好きなのだろうか」と邪推したくなるほどである。「月と6ペンス」や「アンネ」は原典の話自体も面白いので、評者の伊藤さんもノッて書いているフシがうかがえる。特にアンネの「自己中」ぶりに、突っ込む伊藤さんの話は面白い。

「異邦人」にしろ、「老人と海」しろ、面白さという点では難しい本かもしれない。太宰の幾つかの作品のように、リーダブルな現代エンタメを読んできた人間にはきつい内容でも、「通過儀礼」として読む側面はあるだろう。だからこそ、おふざけの域に入ってもかまわないから、斬新な切り口で評してもらいたかったところである。

第二に、本書の表題「生きる技術」が、内容を読んでも伝わってこなかった点である。例えば「アンネ」。本書から読み解く教訓は幾つもあると思う。日記をどのように書くべきか。そしてそれがアーカイブされることによる、後世への教訓とか。それらについて言及があればよかったのではないか。

第三に、これだけの名作。幾つも過去の大評論家たちの偉大な評論があるはずである。例えばイーグルトンとか。。と書いてなんだが、今「文学について」を手にとって確認したら、本書の10冊への言及はなかった(笑)。ともあれ、文学史の中でどのように評論され、どのような位置づけがされてきたのか、現代に生きる我々へのブックガイドだからこそ、言及が必要であったのでないか。

第四に、これは。。。それこそ「伊藤」的突っ込みだが、タマフルのリスナーだと一読してわかる語彙である。ライムスター宇多丸印の「ことほどさように」が、記憶にあるだけでも3度使われている。

と、苦言も呈したが、おいらの基本姿勢は「よっ御同輩」である。続編も期待したいし、特に、あえてオミットしたと思しいドストエフスキを伊藤さんならどう読むか。ブログの書籍化なども期待したいところだ。

# by atilla001 | 2011-12-01 21:44 | 読書

※以前、他の場所に書いた文章をこちらにアップしておきます。ヘビメタじゃ~(2010/02)

評判の「アンヴィル~夢を諦めきれない男たち」を、早稲田松竹で見てきました。

まだ封切公開中なのに二番館にかかる裏ワザ!かつ、併映は「パイレーツ・ロック」ということで、広い世代の観客で満員でした。おいらが見に行く「名画座」で満員は初体験かも。

観客の中に芸人の「阿曾山大噴火」さんがいました。目立ちすぎだし。テレビの衣装そのまんまでした。今日は裁判ないんかいな。

さて、80分のドキュメンタリー。カナダ出身のヘビメタバンドで80年代にそこそこブレイクした「アンヴィル」が、今どうなっているか、を追っかけた内容なのですが、これが泣ける。バンドは存続しているものの、全くお金にならず、地元で給食の配達などをして暮らしています。ですがとにかくリーダーのリップスが超ポジティブ、前向きで、へこたれない男なのです。15歳からバンドを一緒にやっているドラムのロブとの友情、痴話げんかなどが描かれ、苦労の日々の後に、2万人の観客の前で演奏する「奇跡」にめぐり合う。ここで涙、涙。。。

というのも、おいらも含め、リップスに自分を見るのですよ。アホな男の、アホな夢。だけど、まだそれを追っかけている、ほんまのアホがここにいる。おいらだってロックスターになってみたかったよ。ギターを手にしたことも、今では苦い思い出。(今でもたまに弾きまっせ)

ところで、映画は84年の日本でのロックフェスから始まります。「スーパーロックインジャパン」。ロックフェスの先駆けで、スコーピオンズ、ボンジョヴィ、ホワイトスネイク、マイケル・シェンカーなどが出演していました。

行ったがな。

がきんちょの頃でした。一瞬だけ、ヘビメタを聴いていたことがありました。悪友に誘われ、二人で大阪港特別会場に足を運びました。あまりの暑さ、爆音にヘビメタが大嫌いになったきっかけのライヴでしたが。。。

今、あれから25年経ち、映画でアンヴィルに出会えるとは。そういったことも自分の人生とオーバーラップした原因でしょうな。

併映の「パイレーツロック」に関しても一言。アラン・パーカーの「コミットメンツ」や「フルモンティ」あたりを思い出しながら観ていたら、最後に「タイタニック」になったのでびっくり。なんじゃこの映画。

音楽マニアとして気付くのは、このラジオ局、なんで数年前の曲ばかりかける?66年の曲でしっかり合っている曲ももちろんありますが、64年くらいの曲が結構かかっていましたね。66年っていえば、もう少し「ニューロック」ぽいサウンドが主流だったのでは?

ラスト、一番印象的なエンディングでデビッド・ボウイの「レッツ・ダンス」(80年代)がかかってのけぞりました。どういうことやねん。音楽がキモの映画なんだから、そういう時代考証はしっかりしてほしかったのう。権利関係か、かかりまくったはずのビートルズが一曲もなし、というのも不満ですし。

プロコル・ハルムの「青い影」も67年やし。

童貞喪失ニュースのギャグに一番笑いました。。。

# by atilla001 | 2011-11-29 22:01 | 映画


TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル(タマフル)」で今日(2011/11/26)、ヘビメタ特集が行われる。

これまで、アイドル、下ネタR&B、ファンコット、和ユーロ、レゲエなどを取り上げてきた同番組だが、満を持してのヘビメタ特集である。

恐らく、パーソナリティーの宇多丸師匠はまったくの門外漢として講義を受けるのであろう。タマフルならではの、サブカル視点、ボンクラ男子が喜んでいる感じというのが予想される。

僕はこの予告を先週の放送で聞いて、手を叩いて喜んだ。というのも、ボンクラ男子にとってのヘビメタ、というのは実際にヘビメタが流れているのを聞いて、「御用達なだなぁ」という思いが強かったからである。

おいらのヘビメタ歴をカムアウトする。厨房の頃、がっつり聞いていた。好きだったのはレインボー、MSG、スコーピオンズなどのライン。映画「アンヴィル」で描かれた「Super Rock in Japan」も見ている。

実は、この野外ライブを爆音で見て、難聴になり、ヘビメタを聞けなくなった、というのが事実である。

では、おいらの感じるヘビメタ要素を列挙する。

1.ヘビメタは国際言語だ!
日本のヴァウワウとか、ラウドネスが世界中で聞かれているというのは、様式美の世界で、民族や言語関係ないから。ドイツメタルも有名だし、笑ったのはミャンマーで「Iron cross」という地元ヘビメタバンドが有名だったこと。

2.テクニック重視
上記とも重複するが、テクニックさえうまければ、言語、民族など関係なし。

3.マチスモ要素
プロレスや格闘技ファンがヘビメタ好き、というのは、そこはかとない男尊女卑感がヘビメタにあることや、テクニック=筋肉同視問題があるから。PVを見てもおねえちゃんが巨乳だったり、「もてもて感」演出だったり、ボンクラ男子の妄想具現化である。

4.クラシックへのコンプレックス問題
ヘビメタファンが行きつくところが、「テクニック重視」というところからか、クラシックファン、というのが首をひねらされるところ。

5.オーセンティック問題
民族音楽やワールドミュージック、ブルースなどのファンは、どこかそういう音楽が「ホンモノ」という意識がある。その中でヘビメタなどは差別される対象である。しかし、そのオーセンティックなるものは、本当だろうか?との疑義を、当のそうした「オーセンティック音楽の専門家」中村とうようさんが投げかけた。ともあれ、被差別音楽=ヘビメタであり、そこがサブカルと同一視されるゆえんである。

6.ヘビメタの差別意識
80年代、「ミュージックライフ」で、ヘビメタファンの仮想敵はデュラン・デュランやカルチャークラブであった。ところが、レインボーがポップスに接近したりすると、「日和った」との声が出ていたのを思い出す。つまり、ヘビメタにとってヘビメタ>ポップスということである。

・・・以上、思いつくところを述べてみた。オーセンティック問題などは、これだけで文章をかけそうだ。それはまたいずれ。

ともあれ、今夜の放送、楽しみである!!

# by atilla001 | 2011-11-26 09:50 | 音楽

前回、10/30付エントリの続きです。

繰り返しになりますが、愕然とすることに、今年の読書があまりに薄い。。。何とかせねば、と思って現在も色々読んでいますが、やはり当たりが少ない。ともあれ、気を取り直して。

11.「対岸の彼女」角田光代
同世代、海外旅好きなど、あまりにあからさまに感性が似ている著名な作家の角田さん。読む気はあまりなかったのだが、高名な本作を手にした。結果、う~ん。個人的には微妙。

12.「蒲生邸事件」宮部みゆき
今さら宮部さん。さすが面白いが。。。コメントしにくいなぁ。

13.「有頂天家族」森見登美彦
例によって京都を舞台に、天狗やタヌキが活躍する家族小説。これは傑作!

14.「パレード」吉田修一
なんの話だっけ?シェアハウスの話と思って読んでいたら、衝撃の結末が待っていた。前半部と結末の乖離がちょっと。。。

15.「電子書籍の衝撃」佐々木俊尚
佐々木さんの本、他にも数冊読んだ。IT、web関連の動向がまとめられている。電子書籍をめぐる、グーグルやアマゾンの思惑。おいらたちユーザにとっても電子書籍は「蔵書の場所をとらない」「比較的安価で利用」などメリットあり。興味深く読んだ。

16.「天使の恥部」マニュエル・プイグ
プイグの本は、「赤い唇」「ブエノスアイレス事件」「蜘蛛女のキス」に続き、4冊目の読破。どれも苦戦するが、不思議とまた読みたくなる。今回の収穫は、この本がウォン・カーワイに影響を与えて、「2046」が作られたことに気付いたこと。

おいらにとって、「小物」の本は他にも数冊あり。だがここで挙げるのも作者に失礼と思い、控える。といった次第で、結局、今年はキモになる本が二度目の「緑の家」だったり、どうも低調だったように思える。来年こそ本当に読みたい本だけ読むようにしなきゃ。

# by atilla001 | 2011-11-21 00:03 | 読書



昨日、11月14日の深夜、ツイッター上に目を疑う情報が流れた。

「ビートルズの幻のアルバム『レッド』が発売決定」

リンクされているサイトを見ると、
http://beatles-red.com/jp/
どうも「リボルバー」から「サージェント」までの間、シングル「ペニーレイン」「ストロベリーフィールズ」制作時、8曲が制作され、しかし何らかの事情でオクラ入りになったアルバムらしい。

ビートルズのオクラアルバムというと、「Get back」が有名である。発売順でラストになった「レットイットビー」のセッションは、そもそも「Get back」として準備されたものであり、その音源を使ってフィル・スペクターがまとめたものが「レットイットビー」になる。

ブートレグではおなじみのアイテムだった「Get back」だが、2003年に「ネイキッド」として公式発売されたのも記憶に新しい。

ビーチボーイズの「Smile」の封印が解かれる奇跡の2011年。今度は全く知られていなかったビートルズの「レッド」が発売というのである。。。

。。。というのは全くのでまかせ。

これ、ツイッター上で大騒ぎになったのだが、どうも2chのスレッドでの「釣り」だったようだ。

http://logsoku.com/thread/hibari.2ch.net/news4vip/1318717320/

この人騒がせなサイト、実によくできている。ニセモノとしてみると、ジョージの曲とか、ザっパのカバーだとか、チープな感じも感じられるのだが、わざわざドメインも取り、英語サイトまで作りこむ念の入れようはあっぱれである。

http://beatles-red.com/jp/
http://beatles-red.com/

それにしても、一杯食わされた、としても、なんだかみんな、そんなに怒っていないのが面白い。
一瞬、確かに夢を見たのだ。ビートルズの幻のアルバム。

ルイス・シャイナーが「グリンプス」で描いたように、「Smile」の発売はまさしくSFや幻想小説のカテゴリーでしかなかった。それが、ここに現実になったのだ。

シャイナーの小説の中で、ビートルズのセッションに主人公が潜り込むシーンがある。そして、そこで録音された、未だ誰も聞いたことがないビートルズの演奏。小説の中ですら、興奮させられた。音が聞こえるようだった。

一瞬、幸福になれた、この人騒がせなガセ情報。多くの人が一杯食わされたが、改めて、ビートルズ、みんな大好きなんだ!


# by atilla001 | 2011-11-16 00:17 | 音楽



ロートレック展を見てきました。

久々の美術館。上野の国立や西洋などで、企画展などをよく見に行っていたのですが、今回はチケットをさる筋から入手できたので、ホイホイ大喜びで見に行きました。

ロートレック。おいらたちには、筒井康隆の「ロートレック荘事件」くらいしか思い浮かびません。どちらかといえば、芸術というよりも雑誌の表紙を多くやっていた、「サブカル寄り」のアーティスト、というイメージでした。

実際に彼の作品を200ほども見て、確信したことがあります。それは。。

こっち側の人

ということです。

おれたちの大好きなアイドル、セクシータレント。時と場所が変わっただけで、それらを非常に愛した画家だったようです。

面白いのは、彼の生い立ち。成長期に骨折をしたことから、あまり身長が伸びなかったとか。そのせいもあって、底辺の人々にシンパシーを抱いた、と芸術史的には説明されるのでしょうが。

まず、展示の最初からムーランルージュの踊り子たちが描かれたリトグラフが展示されます。ムーランルージュ。パリやモンマルトルという地名に、どこか「あ↑こがれ」な響きがつきまといますが、要するにAKBみたいなもん。押しメンの踊り子を描いていきます。

笑うのが、19世紀末のそれらの女性たちの衣装が、まるでメイドカフェのようだったことです。リトグラフの向こうから「おかえりなさいませ、ご主人さま」という萌え声が聞こえてきそうな感じすらしました。

展示の後半では、恐らくパリ万博を見た後、ジャパネスク~オリエンタリズムの影響を受けたロートレックが、歌麿オマージュ的な「娼館の女性たち」の日常を描き始めることが説明されます。

つまり。。。現代に譬えるなら、セクシータレントが大好き、ってことですよね。

ロートレックは油絵も書いているようですが、本業は、依頼されて描く書籍や広告のリトグラフのイラストです。これらの情報を煎じつめれば、要するに、山藤章二さんや、いや、もっとぴったりな人がいたわ。

みうらじゅんさん。

ってことじゃないですか!

動物が描かれた小品に、カエルやウシを描きまくっていたころのみうらさんを思い出したのは、おいらだけではないと思います。

それにしても、女優やシャンソン歌手のリトグラフに、どこか悪意すら感じるデフォルメがされているのは、面目躍如、ではないでしょうか。押しメンにはきれいなデフォルメ。どうでもいいやっつけ仕事には、悪意に満ちたデフォルメ(妄想)。そんな、サブカル気質を感じてしまいました。

世紀末のパリ。万国博が開かれ、注目が植民地の異文化にそそがれたころ。第一次大戦前夜で、列強がアジアやアフリカの植民地争奪に明け暮れていました。大戦争前夜のいっときの文化的爛熟。それが、一種退廃の香りすら漂わせる濃厚な「サブカル」を生み出していた、という事実。

ひとつ、個人的に面白い発見がありました。「ジンママン」という人物のリトグラフがあったのですが、その名前は、恐らくユダヤ系の名前です(ボブ・ディランの本名だったはず)。20世紀前後、かつヨーロッパのユダヤ人といえば、ポグロムやドレフュス事件などの、厳しい状況があった時代でした。

ひとつの美術展から、現代史の息吹も感じることができる。そういった次第で、たまには美術展に行くのも素晴らしい体験となることを報告して、本レポートを終えたいと思います。

# by atilla001 | 2011-11-05 22:23 | サブカルチャー

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